2009 |
04,16 |
新たなキャラとして、あの子を登場させてみました。
元ネタの某月刊石仏編集長のポジションが思い浮かばなかったので…。
まあ要するに芭蕉さんとの恋バナ担当です。
さすがに彼女の年齢を上げる気にはなれなかったので、芭蕉さんのお隣さん設定で。
しかしそんなことをしたせいで、芭蕉さんが小学生相手に人生相談する駄目なオッサンになってしまいました(何といふ)
それにしても元ネタ無視しまくりですみませんorz
「全然わかんないんだよね~…」
人よりは少し遅い夕食。
独り身の自分を気遣って(いるのかどうかは謎だが)、隣人の娘であるかさねは良くこの時間に遊びに来る。
ご丁寧に彼女の姉の料理付き。
まあそれも勿論、彼女達の晩御飯の余りらしいけれども。
「分かんないって、曽良さんのこと?」
「そうそう。最近会っても全然目も合わせてくれないし」
彼女はちょっとしたきっかけであの四兄弟の正体を知ってしまっている。
だからなのか、つい彼らに対する愚痴…というか悩みをつい漏らしてしまうのだ。
いい年こいた大人が恥ずかしいことだが。
とくとくと空いたグラスにビールを注いで、もう一口。
「偶に話したかと思えばそっけないし、すぐ目逸らされるし…」
かと思えば突然ご飯に誘ってくれたりするし。
でも食べに行ってもそんなに会話ないし。
そう話しながら、ここ最近の曽良の行動を思い出す。
やはり何かがおかしいのだ。
辛辣で容赦がないのは初めて会った時からそうだったので、その部分ではいつも通り。
なので今更どうも思うまい(悲しいことだが)
そう考えると、行き着く先はやはり何か怒らせるようなことをしたのだろうか、という結論しか。
どうしたらいいんかなぁ~と情けない声を出しながら、テーブルに顎をつける。
行儀悪いなぁと呆れたような声が聞こえてきたが、どうしようもない。
本当に悩んでいるのだ。
(尤も、何でこんなにも自分が彼に対して悩んでいるのかなんて考えもしていなかったけれど)
「まあ確かに、仕事相手でそりが合わないのはよくあることなんだけど…」
「ふーん。まあそれは仕事だけに限らないと思うけど」
うちのクラスだって下らないことで喧嘩してずるずると引きずる馬鹿ばっかりよ、なんてきっぱりと言うこの少女。
何と言う辛辣。何と言う冷静さ。
最近の子はしっかりしてるなぁなんて思いながらビールを再び口へ。
娘がいなかった分、かさねとの時間は家族を連想させるものがあって何となく嬉しい。
「でも、なんかそれって……うーん」
だからと言って…まあ、こんなにも情けない姿をよそ様の娘さんに見せていいものか、というのもあるが。
こんな話ばかりでも彼女は遊びに来てくれる。それが芭蕉にとってはとても有難かった。
そんなことを考えつつぐびぐびとグラスを煽っていると、何事か考えていたかさねが不意に口を開いた。
「もしかして、曽良さんは芭蕉さんに恋してるんじゃない?」
ぶぼっ、と口にしていたビールを豪快に噴き出した。
それに対して少女は汚い!や他にも何か辛口なことを言いながら手近にあったティッシュを引っ張りだして拭く。
そんないつも通りの対応をするかさねに対して、自分は液体が気管に入る苦しさに耐えることで精一杯。
「ごほ、なっ、か、っかかかかさねちゃん、大丈夫?恋の意味分かってる?!」
「うわ…それ経験値底辺のオッサンに言われたくない」
心底不服そうな顔をするかさね。
だが不覚にも動揺してしまった自分はそれに文句を言う気にもなれない。
「いや、あのね!確かに松尾はこの愛らしいフェイスを持ってるから勘違いするかも知れないけど男だしね!」
「大丈夫、そんな小汚い顔を見て女と勘違いするほど目悪い人ってこの世にいないから」
「グッホオ!小汚いっていうな!もう何なのこの子!」
その言動はあの四兄弟を連想させるものがある。
何だって自分の周りにはこんな厳しい人間ばかり集まるのだろうか。
「だったら何でそ、そんなこと言うのさ!おかしいでしょ!あの鬼長男だって確かに憎たらしいくらい綺麗な顔はしてるかもだけどれっきとした男の子だよ?私達男同士なんだよ?!」
酔いのせいか上手く呂律が回らない。
そんな自分に対して、かさねはいたって普通に。
「そんなの関係ないでしょ」
とふんぞり返るようにしてのたまった。
「私は恋に性別も年齢も関係ないと思うけど」
「か、かさねちゃん…」
最近の子は、何だってこんな。
(そんなこと言われても、困るよ)
何で困るのかなんて、理由は分からないけれど。
困る。
何だか妙に緊張してしまい、思わず真っ直ぐ見つめてくるかさねから視線をそらした。
「いいじゃない。最近そういうの一部の女子の間では流行ってるのよ」
「へ?」
そらした矢先にそんな言葉を続けられて、不意に視線を彼女へと戻した。
「ど、どういうこと…?」
「さあ。知りたいのなら惣五郎さんあたりにでも聞いてみたら?」
何でそこであそこの次男の名前が出てくるのだろう。
浮かんでくる疑問符をどうすることも出来ぬまま、何だか慌しい夕食の時間は過ぎていった。
少女は「次は正字さんも呼んで来てよね!」なんてちゃっかりと自分の目的を告げて部屋を去る。
静かになった部屋。
洗い場に立ち食器を磨く。
(…曽良くんが、私を…)
まさか、ね。
その呟きは、部屋に寂しく響くだけだったのだけれど。
======
かさねちゃんは三男ファン。
書いてて楽しかったです…かさねちゃん…(悦)キャラ全然違いますけどね!
何だかんだと芭蕉さんの面倒みてたらいいと思います。そしてフジョシ候補生。
次男は少女マンガを描くにあたって色んなものを研究資料として見ていたので、フジョシ的な知識もあります。何と言うドリーム!
人よりは少し遅い夕食。
独り身の自分を気遣って(いるのかどうかは謎だが)、隣人の娘であるかさねは良くこの時間に遊びに来る。
ご丁寧に彼女の姉の料理付き。
まあそれも勿論、彼女達の晩御飯の余りらしいけれども。
「分かんないって、曽良さんのこと?」
「そうそう。最近会っても全然目も合わせてくれないし」
彼女はちょっとしたきっかけであの四兄弟の正体を知ってしまっている。
だからなのか、つい彼らに対する愚痴…というか悩みをつい漏らしてしまうのだ。
いい年こいた大人が恥ずかしいことだが。
とくとくと空いたグラスにビールを注いで、もう一口。
「偶に話したかと思えばそっけないし、すぐ目逸らされるし…」
かと思えば突然ご飯に誘ってくれたりするし。
でも食べに行ってもそんなに会話ないし。
そう話しながら、ここ最近の曽良の行動を思い出す。
やはり何かがおかしいのだ。
辛辣で容赦がないのは初めて会った時からそうだったので、その部分ではいつも通り。
なので今更どうも思うまい(悲しいことだが)
そう考えると、行き着く先はやはり何か怒らせるようなことをしたのだろうか、という結論しか。
どうしたらいいんかなぁ~と情けない声を出しながら、テーブルに顎をつける。
行儀悪いなぁと呆れたような声が聞こえてきたが、どうしようもない。
本当に悩んでいるのだ。
(尤も、何でこんなにも自分が彼に対して悩んでいるのかなんて考えもしていなかったけれど)
「まあ確かに、仕事相手でそりが合わないのはよくあることなんだけど…」
「ふーん。まあそれは仕事だけに限らないと思うけど」
うちのクラスだって下らないことで喧嘩してずるずると引きずる馬鹿ばっかりよ、なんてきっぱりと言うこの少女。
何と言う辛辣。何と言う冷静さ。
最近の子はしっかりしてるなぁなんて思いながらビールを再び口へ。
娘がいなかった分、かさねとの時間は家族を連想させるものがあって何となく嬉しい。
「でも、なんかそれって……うーん」
だからと言って…まあ、こんなにも情けない姿をよそ様の娘さんに見せていいものか、というのもあるが。
こんな話ばかりでも彼女は遊びに来てくれる。それが芭蕉にとってはとても有難かった。
そんなことを考えつつぐびぐびとグラスを煽っていると、何事か考えていたかさねが不意に口を開いた。
「もしかして、曽良さんは芭蕉さんに恋してるんじゃない?」
ぶぼっ、と口にしていたビールを豪快に噴き出した。
それに対して少女は汚い!や他にも何か辛口なことを言いながら手近にあったティッシュを引っ張りだして拭く。
そんないつも通りの対応をするかさねに対して、自分は液体が気管に入る苦しさに耐えることで精一杯。
「ごほ、なっ、か、っかかかかさねちゃん、大丈夫?恋の意味分かってる?!」
「うわ…それ経験値底辺のオッサンに言われたくない」
心底不服そうな顔をするかさね。
だが不覚にも動揺してしまった自分はそれに文句を言う気にもなれない。
「いや、あのね!確かに松尾はこの愛らしいフェイスを持ってるから勘違いするかも知れないけど男だしね!」
「大丈夫、そんな小汚い顔を見て女と勘違いするほど目悪い人ってこの世にいないから」
「グッホオ!小汚いっていうな!もう何なのこの子!」
その言動はあの四兄弟を連想させるものがある。
何だって自分の周りにはこんな厳しい人間ばかり集まるのだろうか。
「だったら何でそ、そんなこと言うのさ!おかしいでしょ!あの鬼長男だって確かに憎たらしいくらい綺麗な顔はしてるかもだけどれっきとした男の子だよ?私達男同士なんだよ?!」
酔いのせいか上手く呂律が回らない。
そんな自分に対して、かさねはいたって普通に。
「そんなの関係ないでしょ」
とふんぞり返るようにしてのたまった。
「私は恋に性別も年齢も関係ないと思うけど」
「か、かさねちゃん…」
最近の子は、何だってこんな。
(そんなこと言われても、困るよ)
何で困るのかなんて、理由は分からないけれど。
困る。
何だか妙に緊張してしまい、思わず真っ直ぐ見つめてくるかさねから視線をそらした。
「いいじゃない。最近そういうの一部の女子の間では流行ってるのよ」
「へ?」
そらした矢先にそんな言葉を続けられて、不意に視線を彼女へと戻した。
「ど、どういうこと…?」
「さあ。知りたいのなら惣五郎さんあたりにでも聞いてみたら?」
何でそこであそこの次男の名前が出てくるのだろう。
浮かんでくる疑問符をどうすることも出来ぬまま、何だか慌しい夕食の時間は過ぎていった。
少女は「次は正字さんも呼んで来てよね!」なんてちゃっかりと自分の目的を告げて部屋を去る。
静かになった部屋。
洗い場に立ち食器を磨く。
(…曽良くんが、私を…)
まさか、ね。
その呟きは、部屋に寂しく響くだけだったのだけれど。
======
かさねちゃんは三男ファン。
書いてて楽しかったです…かさねちゃん…(悦)キャラ全然違いますけどね!
何だかんだと芭蕉さんの面倒みてたらいいと思います。そしてフジョシ候補生。
次男は少女マンガを描くにあたって色んなものを研究資料として見ていたので、フジョシ的な知識もあります。何と言うドリーム!
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