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低速ツーリスト

※個人サイトの小ネタ投稿用です。 ※女性向けの二次的創作的行為の産物オンリー。
2024
05,02

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2009
03,30
前記事のそれゆけ正字くん(仮称)は「とある市内の図書館司書と。」に変更します。
こんなタイトルですが、某魔術と科学が融合した禁書目録とは一切関係ないです(笑)



小ネタです。出会ってからしばらくして、正字くん変態疑惑が定着しはじめた時期。



宗房さんはいつもこんな感じで犠牲者になっている、という話。






「みてみて、正字くん!」

宗房のマンションでいつものように芭蕉に関する文献を読み漁っていたところを、不意に話しかけられた。

「…何ですか宗房さん」

ほんの少し、思考を中断されてしまったことに苛立ちを感じながら扉の奥へ返事を返した。


今正字は文献を頼りに、自分の中で形成した伊賀上野で自分の形成した若き日の松尾芭蕉、否松尾宗房と運命的な出会いを果たしたところだったのだ。
いくら同じ名前だからと言って宗房さんに邪魔される筋合いはない。

「あれ、何か正字くん怒った……?まあいいや、とにかくじゃじゃーん!」

その僅かな苛立ちを感じ取ったらしく、宗房は少し怯んだが。
それでも明るく無邪気に、己の書斎の扉を開け放って来た。

その開かれた扉の先に立っていたのは。

「……――――!」

「えっへへー、ドゥ?箪笥にしまってあったやつを引っ張り出して来たんだけど」

似合ってる?なんて尋ねながら袂をひらひらとさせるその姿。
藍色の落ち着いた、着物。

(久々に着たなぁ…やっぱり)

もしかしたら正字の記憶を呼び覚ましてしまうかもしれない、という不安もあったのだがやはり和服は落ち着く。
宗房はうんうんと頷きながら一人で納得した。

それに、たまには正字を驚かせるのも悪くなかった。
寧ろ一泡吹いてしまえ。


「ふっふん!あまりの貫禄に声も出ないか!」
「………さ…」
「ん?」

こちらを見つめたまま黙り込んでいる正字が何かを呟いた。
上手く聞き取れなかったのでもう一度聞き返してみると、彼は。

くわっと目を見開いて。


「松尾、宗房……………」


ドスの利いた声で、その名を呼んだ。


本能が危険を告げる。


思わず後退りするも、すぐに距離を詰められてしまう。

「あれ正字くんちょっ、ちょっと待って!確かに私は宗房だけどただのしがない図書館司書でってちょっ近い!いや押し倒さんとって息荒っ!怖っ!」

がしり、と肩を強く掴まれそのまま押し倒される。
やけに近い整ったその顔も今は恐怖しか与えてくれない。

「漸く見つけましたよ……もう逃がしません……!」
「だから人違いだってば!君は私の向こうに何をみてるのいやぁぁ脱がさんとってぇぇぇぇええ!」

マンションに木霊す悲鳴。
正字が正気に返るのは、宗房の服を全て脱がし終えた後である。
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