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低速ツーリスト

※個人サイトの小ネタ投稿用です。 ※女性向けの二次的創作的行為の産物オンリー。
2024
05,02

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2009
01,07
はい、下の設定でちょっとだけ小ネタを。これが書きたいがためだけに設定書いたような感じです(何)
本編よりは少し前、の設定です。
天国組です。

あと色々とまだ無知ーな部分が沢山ありますので、色々とツッコミどころ満載ですが…愛嬌と思って軽くスルーしてやって下さいませ…。



よろしければどうぞー。

いきなり呼び出しなどと、何を今更改まってとは思っていたのだが。

「は」

小さく声が漏れただけで、それ以上何も出てこなかった。
それほどに内容は唐突で、意外なものだった。

「ちょ、調査…?」
「そーそー、ここ最近おかしい現象が続いてるのは何となく君も気付いてたでしょ?」

何の悪びれもせずに仕事机の上に座って足をぶらんぶらんさせながら主はいつものように軽いノリでそう聞いてきた。
それを聞いて思い起こされるのはただ一つ。


「…魂の消失、ですか」


目の前の男はご名答、と明るく答えた。
しかし次の瞬間にはその笑みを消す。それは稀に見る仕事の顔だ。

「最近数多くの高位の魂が輪廻から外れて消えていってる。消滅したっていうよりは失踪したって感じだけどね」

この人ですら、その行き先が読めないというのだ。

「消滅した訳ではないんですか」
「うん。どこか別次元に引き込まれたって感じかな。お陰で転生がめちゃくちゃになってんの」


不完全な魂のまま転生したり、転生予定だった魂が消えて器だけみたいな人間が生まれたり、そもそも転生不可能になったのもいるね。


「面倒くさいことになったよねー、まあそこでここから軽く調査してみたんだけどさ」

とりあえず見てよこれ。

そういって彼はどこからともなく鏡を取り出す。
普段とは違う用途に使われているそれに少し戸惑いながらも、映し出された映像を見る。

「どうにもこれの影響みたいでさ」
「…[聖杯戦争]?」

読み取った聞きなれない単語に思わず首を傾げる。
それに対して主は軽く頷き更に続けた。

「どうにも人間界でいう西洋からの輸入物らしいんだよね。今までそんな概念なかったから取り込まれちゃったみたい。ほら、見てこれ明らかに『カレ』の魂でしょ」

そういって鏡に映った一人の人物を示す。青い閃光。
確かに、何か違和感を感じるがこの魂は、目の前のこの人が大切にしていた。
次は穏やかな時代に転生してほしいなぁと、懇ろに願っていた。

「もー領土や利益巡って侵略してこようがうちら側から信者奪おうが何だろうが別にいいけど、こういうのでこっちの世界にまで影響及ぼすの止めてくんないかなホント」
「大王、そういう発言は控えたほうがよろしいかと…」
「あ、ヤバかった?うーん別に良いよだって君しか聞いてないし」

まあそれはそうなんだけれども。

「ま、とにかく。そんな訳で私たちとしてはこのままだとどうにも都合が悪いし放ってはおけないんだよね」

それで話が冒頭に戻るというのか。



「だからオレが直接人間界に行って、まあ調査して何とか処理してくるよ」



「…直接って、どうやってですか」
「そりゃあ勿論転生して」

軽く目眩がした。
駄目だ、折角今までこらえてたのに。

「あ、大丈夫大丈夫仕事はその間他の奴らが代わってくれるから。元もとあいつらからの命令でもあるしねー、流石にそれくらいはしないと申し訳ないと思ったんじゃない?珍しく」

あっはっは、と声に出して笑う。

「それに心配しなくてもすぐ戻ってくるよ」

どうせ転生したところで長生き出来る命にはならないだろうし、と彼は笑顔で呟く。
その言葉と笑顔の驚くほどの差にちくり、と胸に言い知れぬ痛みを覚えた。

いや。

きっと感じたのは、それだけではない。




([聖杯]…手に入れた者の望みを何でも叶える、か)


鏡には映像が流れ続けている。

「この者達の争いに、交わるということですか」
「まあ、ね。実際細かいところまでは狙えないんだけど、割と近いところの人間に転生できるんじゃないかな」

映像には、勿論自分達が支配している罰の間とは比較にもならないくらい優しいものだけれど。
[聖杯]を手に入れるために。
この人間たちは。



「………人を、殺すつもりですか」



思いの外押し殺したような声になってしまった。
それに気が付いたのか、ふと驚いたように彼の紅い瞳が見開かれる。

「……まあ、あくまで調査なんだけど」




―――必要に応じては、多分ね。




矛盾している。



体中の血液が沸騰したような感覚。

ぎりり、と唇を強く噛んだ。
両手に力が入りすぎて血が滲み出ていた。


(死者を裁くものが死者を生み出す、などと)


審判者たるこの主は万物を常に冷静に見ている。
しかしそれ以上にこの世界を想っている。


この世界を巡る一つ一つの小さな光を、愛している。


今のこの魂を裁く状況でさえ、この人は罪とされ。
様々な罰と苦悶に堪えている。

(決して自分に見せようとはしないが、そうであることを獄卒である自分は知っている)

殺人者は地獄送りだ。

それを裁くのはこの人だ。



ならばもし人を殺めた場合



この人の罪はどこへ行くと、いうのだろうか。



どこまで、堕ちると、



「…、ます」
「ん?」

声を絞り出す。
上手く聞き取れなかったのか、何もかもすっとぼけたような顔で主は聞き返す。

「僕も行きます」

「………へ」

はっきりと。
叫びだしたい衝動を堪えて、努めて冷静にそう告げた。
すると今度こそ言っていることが理解出来なかったのか、心底間抜けな顔でそんな一声が。

「…あんた一人じゃまともに調査できるか不安です。連れて行って下さい」

もう一度。
冗談じゃない。

(あんたには誰も殺させない)

この人が罪を重ねる訳にはいかない。

ならば自分が盾となろう。


立ちはだかるものを全て薙ぎ倒してでも、前に突き進む強靭な矛でありそして、この人の盾に。


此方の視線にその本気を感じ取ったのか、主は少し困ったような顔をしていたが。

「…オレ、自分の操作に集中するから上手く転生の調整できないかもだけど」
「構いません。どんな状況に生まれてもあんたが変態だという事実はきっと抜けませんから」
「え、ちょ、そこかよ…もうちょっと何か気の利いたこと言えよ…」

少しだけいつもの調子で言葉のやりとりをする。
それだけで彼はすぐ笑顔に戻って。

「…へへ、じゃあまぁ、付いてきてもらうとしますかね」

そう、安心したように呟いてくれるから。

「いやー、オレって愛されてるねぇ~。鬼男くんってば本当にオレのこと大好きなんだからー」
「んなっ!?ぜ、絶対違います!あんただけに任せたらこの世界が滅びかねないからであって、そんな」

一緒になって安心してしまった。

そして改めて、心の中で主への忠義を誓う。

「ほら、そうと決まったらさっさといきますよ」
「あ、ちょっと待って待って。まだオレ服の準備が…」
「間違ってもセーラー服はいらねぇだろこんの変態大王イカ!!」


(主を……閻魔大王を、守るんだ)



それだというのに。



「―――ごめんな、」

鬼男くん。



今にも泣き出しそうな儚い笑顔で告げられた、小さなその懺悔には気付かなくて。



...go to next stage ----"Fate" side.
========
大体そんな感じで。すみません本当色々捏造したり捻じ曲げてます…。
そもそもキャラが違うような、気が…この二人ってこんなでいいのかしら…。
閻魔の一人称に悩みます。個人的には業務的なときに「私」で個人のことになると「オレ」になってると萌えなのですが。
あとついつい「この人」と書いてしまいますが、閻魔は人じゃないですよねぇ…どう表現したらいいんだ。

さて、こうして鬼男くんも付いていく訳ですが、その彼の心の誓いは設定の通りあっさりと。はいばっさりと破られてしまいます。(キャスター=閻魔の項参照)
それ以降の彼は本当にもう必死になると思います。死に物狂いで殺戮の戦士と化します。閻魔がこれ以上人を殺めないように。
信頼と忠義は厚いですが、そんなこんなでこの組も色々と不安定です。エセシリアスで申し訳ありません…。

でも個人的には書けて大満足です(何)あとは残り二組の折り入った話とか色々書けたらいいな!
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挙動不審眼鏡。とりあえず色んなことに妄想できたらそれでOK。現在はギ.ャ.グ.マ.ン.ガ.日.和に熱中。その他もろもろ。
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